ABOUT
クラレプラスチックスの
熱可塑性エラストマー
〈アーネストン〉とは
ABOUT EARNESTON
ゴムより自由な〈アーネストン〉
〈アーネストン〉は、赤ちゃんの肌の柔らかさ(硬度0A)からまな板の硬さ(硬度95A)まで自在に硬さを操ることができる、クラレグループが生み出したエラストマーコンパウンド*です。容易に射出成形、押出成形ができます。
クラレのポリマー技術とクラレプラスチックスの持つ配合・混合技術を組み合わせることで、従来はゴムの用途であったペングリップ等の生活雑貨から、自動車部品、電子部品、メディカル分野へと幅広く採用されています。
ABOUT ELASTOMER
*エラストマー(熱可塑性エラストマー)って?
エラストマーとは、弾性を持った高分子のことで、「ゴム」と「熱可塑性エラストマー」の2種類があります。熱可塑性エラストマーとは、常温ではゴムの弾性を有し、熱を加えると軟化して流動する性質を持つ樹脂のことです。
熱可塑性プラスチックと同様に、射出、押出成形ができます。ThermoPlastic Elastomer(TPE)とも呼ばれます。
※「熱可塑性」とは、熱を加えると軟化して、冷却すれば固化する特性を有する樹脂の総称です。一方で「熱硬化性」は化学反応して架橋構造を取り固化するため、熱を加えても軟化しません。熱可塑性は「チョコレート」、熱硬化性は「クッキー」のようなイメージです。
COMPARE
〈アーネストン〉とゴムとの比較
〈アーネストン〉は、ゴムと比べて短い工程で加工できるため、大量生産が容易です。
また、ゴムは熱硬化性のためリサイクルができませんが、〈アーネストン〉はリサイクルが可能です。
例え成形に失敗してもやり直すことができること、また、大量生産に向いていることから、製造コストを削減できます。
リサイクル(リユース)のイメージ
FEATURE
〈アーネストン〉標準グレードの特長
-
赤ちゃん肌からまな板の
硬さまで幅広く対応 -
リサイクル可能
-
プラスチック成形機で、
射出、押出などが簡単 -
軽い(比重0.89~)
-
透明から鮮やかな発色性
まで着色自由 -
よく伸びて元に戻る
-
家庭用洗剤や消毒液などの
耐薬性に優れる -
寒さに強く、
氷点下でも柔らかい -
安全性が高く、食品、
メディカル用途での実績あり -
水に強い
VARIATION
さまざまな付加価値
クラレの〈セプトン®〉等のゴム弾性に優れるエラストマーをベースにクラレプラスチックスの配合ノウハウを駆使し、
ゴム弾性に加え、透明、高反発、制振などのさまざまな機能をご提供することを可能としました。
REFERNCE
ご参考
〈アーネストン〉のベースポリマー
〈アーネストン〉のベースポリマー(主にスチレン系エラストマー〈セプトン〉)の構造はゴムと似ているため、よく伸縮します。
-
疑似架橋
ゴムの架橋点に相当する役割
-
エラストマーブロック(EP、EB、EEP)
ゴムの柔軟性・伸縮性に相当する役割
熱可塑性エラストマーの種類と比較
一般的な熱可塑性エラストマーの種類としては、スチレン系(TPS)、オレフィン系(TPO、TPV)、ウレタン系(TPU)、エステル系(TPC)、塩ビ系(TPVC)があります。
〈アーネストン〉は柔軟性や低温特性、及び耐水性に非常に優れており、容易に成形出来る高機能なエラストマーコンパウンドです。
TPO、TPU、TPC系のエラストマーも扱っており、TPS以外の様々な機能を付与することが出来ます。
性質 | TPS〈アーネストン〉 | TPO | TPV | TPU | TPC | TPVC |
---|---|---|---|---|---|---|
比重 | 0.90~1.1 | 0.89 | 0.90~1.1 | 1.13~1.26 | 1.12~1.19 | 1.22~1.32 |
硬度 | 0A~60D | 50A~65D | 40A~50D | 60A~60D | 90A~70D | 40A~80A |
柔軟性 | ◎ | △~○ | ○ | △~○ | △ | ○ |
機械的強度 | ○ | △ | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
圧縮永久歪 | ○ | △ | ○ | ○ | ○ | △ |
低温特性 | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
耐熱性 | ○ | ○ | ○ | △ | ◎ | × |
耐候性 | ○ | ○ | ○ | × | △ | ◎ |
耐油性 | △ | △ | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
耐水性 | ◎ | ◎ | ◎ | × | × | 〇 |
射出成形 | ◎ | ○ | ○ | △ | △ | △ |
押出成形 | ◎ | △ | △ | △ | △ | ◎ |
コスト | ○ | ○ | ○ | △ | × | ◎ |